川口春奈主演、高杉真宙共演の映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、2026年10月2日に全国公開されました。
タイトルからすでに「母親との別れ」が予感される本作。
しかし、単なる難病を題材にしたフィクションではありません。
主人公・遠藤和には実在のモデルがいます。
しかも映画の原作となったのは、21歳でステージIVの大腸がんを宣告され、24歳で亡くなった遠藤和さん本人が、亡くなる10日前まで書き続けた日記です。
和は最後どうなるのか。
子どもは無事に生まれるのか。
夫・将一はその後どうなるのか。
ここでは『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』のあらすじ、実話、原作、映画の結末までネタバレありで紹介します。
※以下、映画および原作の重大なネタバレを含みます。
『ママがもうこの世界にいなくても』基本情報
公開日:2026年10月2日
上映時間:124分
監督:山戸結希
原作:遠藤和『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』
主演:川口春奈
出演:高杉真宙、松本穂香、中島瑠菜、小林聡美、デビット伊東、森田望智ほか
配給:東映
主人公・遠藤和を川口春奈、夫・遠藤将一を高杉真宙が演じます。
あらすじ|21歳で突然告げられた「ステージIV」
青森で暮らす遠藤和と将一。
二人は時にケンカをしながらも、将来を思い描く普通のカップルでした。
しかし、そんな日常が突然変わります。
和が体調を崩して病院を受診すると、告げられたのは、
ステージIVの大腸がん。
まだ21歳でした。
残された時間がどれほどあるのか分からない。
それでも将一は和から離れません。
「一生大切にする」
そう決意した二人は結婚します。
『ママがもうこの世界にいなくても』は実話?
実話です。
映画の主人公となった遠藤和さんは1997年、青森県生まれ。
21歳のときにステージIVの大腸がんを宣告されました。
当時交際していた将一さんは、病気が分かっても和さんのそばを離れませんでした。
そして和さんが22歳のときに結婚。
二人の結婚式は日本テレビ系『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』の「結婚式の旅」で密着され、2018年に放送されています。
その後も和さんは病気と闘い続けました。
しかし彼女には、どうしても叶えたい願いがありました。
「将一との子どもに会いたい」
という願いです。
妊娠するため抗がん剤を中断
子どもを持つことは、和さんにとって簡単な選択ではありませんでした。
妊娠を目指すためには、自分の命をつないでいる抗がん剤治療を中断する必要があったからです。
当然、将一は反対します。
子どもに会いたい。
でも、和には生きていてほしい。
二人の願いはここで衝突します。
それでも和は、自分の気持ちを将一に伝え続けます。
そして最終的に将一も彼女の思いを受け止めます。
娘は無事に生まれる?
無事に生まれます。
和は奇跡的に妊娠。
23歳で娘を出産し、念願だった「ママ」になります。
ここから映画は、病気と闘う女性の物語であると同時に、
残された時間で娘にどれだけの愛を残せるか
という母親の物語へ変わっていきます。
和は娘を抱き、育児をし、将一と3人で過ごします。
病気が消えたわけではありません。
それでも和にとって、その時間は人生で最も幸せな時間でした。
【結末ネタバレ】和のがんは治る?
残念ながら、治りません。
出産後も和の病状は進行していきます。
やがて医師から、抗がん剤治療を続けるよりも、残された時間を家族と過ごすことを考える段階に来ていると告げられます。
しかし将一は諦められません。
なんとか和を助けたい。
まだできる治療があるのではないか。
仕事の合間にも、治療を受けられる病院を探し続けます。
その行動はすべて、和を愛しているからこそでした。
しかし皮肉なことに、
和を救う方法を探す時間が増えるほど、和と一緒に過ごせる時間は減っていきます。
和は寂しさを感じるようになります。
ここが映画終盤の非常に重要な部分です。
将一が最後に選んだもの
将一はやがて気づきます。
自分が本当に守りたいのは、
「和を治す可能性を探し続けた」という事実ではありません。
残されている時間を、和と娘と一緒に過ごすこと。
将一は治療法だけを追い続けるのではなく、和のそばにいることを選びます。
そして家族3人で、残されたかけがえのない時間を過ごします。
【映画結末】和は最後どうなる?
結末は、タイトルが示している通りです。
和は亡くなります。
病気が奇跡的に治る展開にはなりません。
和は将一、娘、そして家族との時間を大切にしながら、人生の最後を迎えます。
映画公開後のネタバレ感想でも、将一が治療法を探し続けることから「家族と残された時間を過ごすこと」へ気持ちを切り替え、和が家族との時間を過ごした末に亡くなる流れが確認されています。
しかし映画が描こうとしているのは、
「24歳の若さで亡くなったかわいそうな女性」
というだけの物語ではありません。
和本人が残した言葉には、作品を象徴する思いがあります。
病気でも、残された時間が短くても、自分は今が一番幸せだ。
和にとって人生の価値は、「何歳まで生きたか」だけではありませんでした。
実際の遠藤和さんはいつ亡くなった?
実在の遠藤和さんは、約3年間の闘病を経て、
2021年9月8日、24歳で亡くなりました。
亡くなるわずか10日前まで日記を書き続けていました。
その記録が後に、
『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』
として書籍化されます。
つまり映画タイトルにある「私の命の日記」は、物語のために作られた架空の日記ではありません。
和さん本人が残した言葉です。
原作は小説ではない
ここも検索で間違えやすいポイントです。
原作はフィクション小説ではありません。
遠藤和さん本人が書いた手記・日記です。
和さんは治療、結婚、妊娠、出産、子育て、そして死と向き合う日々を書き残しました。
2021年に書籍化され、2026年6月には映画公開に合わせて小学館文庫版も発売されています。
原作文庫版には「その後」がある
2026年版の文庫には、さらに重要な内容が追加されています。
それが、
和さんが亡くなった後の、娘と父の5年間。
約1万8000字の特別寄稿として収録されました。
映画を見て、
「娘はその後どうなった?」
「将一さんは今どうしている?」
と気になった人にとって、原作の文庫版は映画の先を知ることができる内容になっています。
娘は現在どうしている?
和さんが亡くなった後も、娘は父・将一さんとともに成長しています。
2026年版の原作文庫には、父と娘が過ごしたその後5年間についても記録されています。
だからこそ、この作品は和さんの死だけで終わる物語ではありません。
和さんが残した愛情が、娘と将一さんの人生へ受け継がれていく物語でもあります。
川口春奈が演じる遠藤和
川口春奈が演じるのは、実在した遠藤和さん。
天真爛漫で芯が強く、病気になっても「自分がどう生きたいか」を諦めない女性です。
病気だけを演じるのではなく、
恋人としての和。
妻としての和。
娘としての和。
姉としての和。
そして母親としての和。
さまざまな顔を描くことが、この役の大きなポイントになっています。
高杉真宙が演じる夫・将一
高杉真宙が演じる将一も実在の人物がモデルです。
恋人が21歳でステージIVのがんと診断されても、彼女から離れず結婚。
妊娠については和と意見がぶつかりながらも、最終的には彼女の願いを支えます。
映画後半では、
愛する人を助けたいという気持ちと、残された時間を一緒に過ごすことのどちらを選ぶのか
という非常に苦しい立場に置かれます。
松本穂香は何役?
松本穂香が演じる櫛引遥は、和の妹です。
病気と闘う姉をそばで気遣い続ける存在。
また、末っ子の妹・櫛引結花を中島瑠菜、父・櫛引慎吾をデビット伊東、母・櫛引美智子を小林聡美が演じています。
映画は夫婦だけではなく、若くして娘・姉を失うことになる家族の視点も描いています。
なぜタイトルが「ママがもうこの世界にいなくても」?
タイトルだけを見ると非常に悲しい言葉です。
しかし作品を最後まで見ると、意味が少し変わってきます。
いつか娘が成長したとき、母親はこの世界にはいません。
でも、
母親が残した日記がある。
父親がいる。
家族の記憶がある。
そして「あなたに会いたかった」という母親の思いが残っている。
だからこの作品は、
「ママがいなくなる話」ではなく、「ママが何を残したのか」を描いた物語
とも言えるでしょう。
まとめ|結末を知っていても泣ける実話
『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は、結末を隠して驚かせる映画ではありません。
タイトルを見れば、和が最後に亡くなることは想像できます。
実際、遠藤和さんは2021年9月8日、24歳で亡くなっています。
それでもこの作品が胸を打つのは、
「死ぬかどうか」ではなく「限られた時間をどう生きたか」を描いているから。
21歳でステージIVの大腸がん。
22歳で結婚。
23歳で出産。
そして24歳で旅立った遠藤和さん。
短い人生だったかもしれません。
しかし本人が残したのは、
「かわいそうな人生だった」という言葉ではありません。
病気と闘いながら結婚し、愛する人との子どもに会い、母親になるという願いを叶えた和さんは、残された時間の中で幸せを見つけました。
そして彼女が亡くなった後も、その言葉は夫と娘、そして日記を読む人たちへ残されています。
それこそが『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』の本当の結末なのかもしれません。
